アナログコンピュータ



 現在、最もこれに近い電気製品は、ボリュームの回転ツマミがあるタイプのラジオやアンプがこれに当たる。アンテナやマイクからの微弱な電気信号を何十倍、何万倍にも変更するためにツマミを回して調整することにより、「掛け算」を行う。掛ける数値を入力する動作がツマミの調節にあたる。

 実際の実用コンピュータには、このボリュームが沢山備えられていて、プログラムはこのツマミを調節し、固定することで実現する。ツマミは非常に正確、かつ、細かに設定できるよう、ギヤが施されてあり、大きな角度の回転を微妙数値として与えられる。「ポテンショ(ポテンシオ)メーター」と呼ばれた、バーニァダイヤルで作られていた。

 このコンピュータの最大の利点は、超高速演算である。原理上、どんなに複雑な演算処理も、入力と同時に出力が得られた。しかし、致命的欠陥があった。答えがアバウトなのだ。アナログ数値はそれ自体には誤差は含まないが、処理のため、技術者が手入力でツマミを回す。入力を与える時も目盛合わせであるので、初めの段階から、誤差を取り除くことは不可能であり、出力が巨大数である場合、誤差も同様に増幅されることから、その出力は到底、許容できないものとなることしばしば。

だから、消えた。